| 【タイトル】 | ・・・【米とから芋の喧嘩】 |
| 昔なあ。 | |
| お天道さんとお月様が茶店ぇ寄ったとてなあ。 | |
| そしたとこうが、茶店ぇ支払う銭がお月さんのたあ多かとて。 | |
| お天道さんのたあ、ちっとやってな。茶店の婆さんの言うとこいが、 | |
| 「お月さんな、茶代もやんとづつ呉るいばって、天道さんたあ少なか。」ちゅうたとて。 | |
| お天道さんが、 | |
| 「婆さん、お前(マヤ)ぁ、良(ユ)う考えてみやれ、お月さんな、一月に十五日しか来やらん、 | |
| 俺(オラ)ぁ、毎日のことやいが、毎日が積もれば、茶代がどしけぇあがいか」ちゅうて、 | |
| もう、そい限いのむかあし。 | |